個人情報は集めるだけでなく、安全に守り続ける責任があります。日ごろの安全管理と、万一漏れてしまったときの対応をあわせて確認しましょう。
先生、集めた個人情報ってさ、金庫にしまっておけばそれでいいの?
それだけでは足りないの。
事業者は安全管理措置を講じる義務があるのよ。
漏らさない、なくさない、壊さないための備えね。
補足すると、安全管理措置は組織的・人的・物理的・技術的の四つの側面から整えると整理されていますよね。
そのとおり。
ルールを作り、担当者を教育し、施錠やアクセス制限をかける、といった具合ね。
ふぇぇ〜、自分の会社の人だけ気をつければいいんですかぁ?
いい着眼点。
従業者への監督に加えて、外部に処理を任せた委託先の監督も必要なの。
任せた先も含めて責任を持つのよ。
もし、それでも漏れちゃったらどうするの?
一定の場合には、漏えい等の報告が求められるわ。
個人情報保護委員会への報告と、本人への通知が必要になるの。
つまり、日ごろの予防と、起きたあとの報告・通知の両方が義務づけられている、という理解で合っていますか?
ええ、その二段構えで覚えておきましょう。
守る努力と、起きたときの誠実な対応はセットなのよ。
自分の会社だけじゃなく、任せた先も見るのがポイントなのぉ。
よっしゃ、予防と報告の二本立てで覚えるぞ!
続いて、報告と通知が要る「一定の場合」の中身を確認します。漏えい等の報告と本人への通知は、2022年4月1日に施行された改正で義務になりました。
先生、報告が要る『一定の場合』って、どんなときなんですかぁ?
個人の権利利益を害するおそれが大きい、次の四つよ。
要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等。
不正に利用されると財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等。
不正の目的をもって行われたおそれがある行為による個人データの漏えい等。
そして、本人の数が1,000人を超える漏えい等ね。
実際に漏えい等が発生した場合だけでなく、発生したおそれがある場合も対象ですよね。
そのとおり。
それに2024年4月1日からは、不正の目的をもって行われたおそれがある行為の場合、個人データとして取り扱う予定で取得した個人情報や、取得しようとしている個人情報の漏えい等も、対象に入ったわ。
入力フォームに入れた情報を盗み取られるような場合ね。
報告って、いつまでにするの?
まず、事態を知った後、速やかに個人情報保護委員会へ報告する。
これが速報。
そのうえで、知った日から30日以内、不正の目的をもって行われたおそれがある行為の場合は60日以内に、あらためて報告するの。
こちらが確報よ。
速報と確報の二回なんですねぇ。
確認クイズ
個人データの安全管理と漏えい対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 個人データを取り扱う従業者を監督する義務はあるが、委託先を監督する必要はない
- 事業者は、個人データの漏えい・滅失・毀損の防止のため、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければならない
- 個人データが漏えいしても、事業者に報告や通知が求められることはない
- 安全管理措置は技術的な対策のみを指し、社内のルール整備は含まれない
こたえを見る
正解: 2. 事業者は、個人データの漏えい・滅失・毀損の防止のため、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければならない
正解は2。事業者は、個人データの漏えい・滅失・毀損の防止のために必要かつ適切な安全管理措置を講じる義務があります。従業者だけでなく委託先の監督も必要で、一定の場合には個人情報保護委員会への報告と本人への通知が求められます。安全管理措置は組織的・人的・物理的・技術的の各側面を含みます。
確認クイズ
個人データの漏えい等が生じたときの、個人情報保護委員会への報告に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 報告が必要になるのは、本人の数が1,000人を超える漏えい等が発生した場合に限られる
- 要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等は、本人の数が1,000人以下であっても、報告の対象になる
- 報告は、事態を知った日から1年以内に1回行えば足りる
- 漏えい等が実際に確認された場合だけが対象で、発生したおそれがあるにとどまる場合は対象にならない
こたえを見る
正解: 2. 要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等は、本人の数が1,000人以下であっても、報告の対象になる
正解は2。報告の対象は、要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等、財産的被害が生じるおそれがある漏えい等、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等の四つで、発生したおそれがある場合を含みます。要配慮個人情報が含まれる場合は、人数の要件はありません。報告は、事態を知った後速やかに行う速報と、知った日から30日以内(不正の目的をもって行われたおそれがある行為の場合は60日以内)に行う確報の二段階です。