約束どおりにお金が返ってこない。そんなとき民法はどう考えるのでしょう。まずは債務不履行と損害賠償の基本を押さえましょう。
ねぇ先生、『債務不履行』ってつまり約束を破ったってこと?
いい入り口ね。債務不履行は、大きく分けると『遅れた』『できなくなった』『中途半端』の三つなのよ。
補足すると、期限までに履行しないのが履行遅滞、そもそも履行できなくなったのが履行不能ですね。
ふぇぇ、返してもらえないと貸した人が困っちゃいますぅ…。
そうなの。
だから損害賠償請求が認められているのね。
ただし、債務者の責めに帰することができない事由なら免責されるわ。
じゃあお金を返すのが遅れたら、遅れた分の利息みたいなのも取られるの?
そのとおり。
金銭債務の遅れには遅延損害金が発生するのよ。
金銭債務では、債権者は損害の証明をしなくてよいの。
先生、質問があります。
法定利率は今どうなっていますか?
改正民法では法定利率は年3%を出発点にした変動制で、3年ごとに見直されるのね。
2026年4月1日からの3年間も、年3%のままよ。
遅れた理由が地震みたいな不可抗力でも、お金は言い訳できないって聞きましたぁ。
よく知っているわね。
金銭債務の不履行では、債務者は不可抗力をもって抗弁することができないの。
ここは絶対に落とせないわ。
要は『遅れ・不能・中途半端』の三つと、お金は特別扱いってことね!
確認クイズ
金銭債務の不履行に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 債権者は損害の額を証明しなければ遅延損害金を請求できない
- 債務者は不可抗力を理由に金銭債務の不履行の責任を免れることができる
- 金銭債務の不履行による損害賠償の額は、法定利率(約定利率が法定利率を超えるときは約定利率)によって定める
- 金銭債務には損害賠償の制度は一切適用されない
こたえを見る
正解: 3. 金銭債務の不履行による損害賠償の額は、法定利率(約定利率が法定利率を超えるときは約定利率)によって定める
正解は3。金銭債務の不履行による損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率によって定め、約定利率が法定利率を超えるときは約定利率によります。債権者は損害の証明を要せず、債務者は不可抗力を抗弁にできません。金銭債務にも損害賠償制度は当然に適用されます。