質権

目的物を預かって担保する質権とは何か。要物契約という成立要件と占有の継続、動産質・権利質、流質契約の禁止を抵当権と対比して整理します。

質屋でおなじみの質権は、目的物を預かることで担保する制度です。要物性や占有の継続という特徴を、抵当権と対比して学びましょう。

夏川 ひより(普段) 夏川 ひより

先生、質屋さんの『質』って、法律の担保なの?

小野寺 琴葉 先生(笑顔) 小野寺 琴葉 先生

ええ。質権という立派な担保物権よ。

桃瀬 美羽(普段) 桃瀬 美羽

抵当権と何が違うんですかぁ?

小野寺 琴葉 先生(普段) 小野寺 琴葉 先生

大きな違いは占有ね。
質権は要物契約で、目的物を引き渡さないと成立しないの。

青山 栞(普段) 青山 栞

抵当権が非占有担保なのに対し、質権は債権者が目的物を占有し続けるのですね。

小野寺 琴葉 先生(普段) 小野寺 琴葉 先生

そのとおり。
占有を続けることで留置的効力が働き、返済を促すの。

夏川 ひより(びっくり) 夏川 ひより

質に入れたものを、借りた人にまた使わせることはできる?

小野寺 琴葉 先生(普段) 小野寺 琴葉 先生

いいえ。
設定者である債務者に占有を続けさせることはできないの。
占有こそが質権の要だからね。

青山 栞(普段) 青山 栞

質権の種類には、動産質のほか、不動産質や権利質もありますね。

小野寺 琴葉 先生(笑顔) 小野寺 琴葉 先生

ええ。
債権を担保にする権利質もあるわ。
それと、弁済期前に質物を丸ごと取得する約束は原則禁止よ。

桃瀬 美羽(普段) 桃瀬 美羽

どうして禁止なのぉ?

小野寺 琴葉 先生(普段) 小野寺 琴葉 先生

債務者が困っているのに乗じて、価値の高い物を安く取り上げるのを防ぐためよ。
これを流質契約の禁止というの。

桃瀬 美羽(笑顔) 桃瀬 美羽

占有がポイントなんですねぇ。

確認クイズ

質権に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 質権は、当事者の合意だけで成立し、目的物の引渡しを必要としない
  2. 質権は、目的物の占有を設定者にとどめたまま設定する非占有担保である
  3. 質権の設定は、目的物を引き渡すことによって効力を生じる要物契約である
  4. 債権を目的として質権を設定することはできない
こたえを見る

正解: 3. 質権の設定は、目的物を引き渡すことによって効力を生じる要物契約である

正解は3。質権は目的物の引渡しによって効力を生じる要物契約です。合意のみでは成立せず、非占有担保の抵当権と異なり債権者が占有を続け、債権を目的とする権利質も認められます。

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